大家さんと僕 〜 大家さんの訃報に触れて

〜大家さんと僕〜

テレビ番組の『ゴロウ・デラックス』でこの本の存在を知ったのが、今年の四月。

興味は持ったものの、たくさんの記事も出て、ほとんどの内容が連載だったり、

いろんな媒体で紹介されていて、読んだ気になってました。

今回、大家さんの訃報に触れ、購入に至りました。

同じように考えている人も多いようで、

訃報から本の売り上げも伸びており、アマゾンでもベストセラー第一位を続けています。

 

 

ゴロウ・デラックスで見ていたものの、改めて素敵な大家さんだなあと思いました。

それほど詳しくは書いていないけれど、

伊勢丹が行きつけのお店。店員さんとも、いい距離感の顔見知り。

厳格な、おそらく上流家庭に育たれた方のようで、手紙の文字も達筆。

話し方も物腰も上品な方なんでしょうね。

単なる店子さんへの接し方ではなく、まるで下宿屋のおかみさんのように暖かく、

でも、気持ちの上では不用意に、必要以上に、踏み込んでこない配慮も感じました。

矢部さんは本当にいい大家さんに恵まれたんだなと、羨ましく思います。

大家さんにとっても、

お姉さまを亡くされてから一人になった寂しさを埋めてくれた矢部さんの存在は、

とても有難かったでしょうね。

奇跡のようなご縁で結ばれて、お互いにとても幸せな生活を送れてて、

それを作品から感じて、煩わしいと思うより、ほっこりと感じる人が多いうちは

日本もまだまだ人情が通じる、大丈夫な世の中だなあと思いました。

 

 

 

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よくよく読んでみると、矢部さんはおいといて、

のちゃーんさんのキャラがすごく気に入りました。

今時のチャラ男なのに、草むしりも丁寧で、お土産にも気遣いできる。

(もずくよりカステラの方が消化良さそうでしょう。)

ぐさっとくること言ってるようで、なぜか嫌な感じにもならず懐に入っていくって、

芸人やめても営業でもどこでもやっていそう。

周りにいたら、もーっって思いながら憎めない存在になりそう(笑)。

 

本の終盤、

矢部さんは、先輩芸人さんに大家さんが入院して寂しいと愚痴ります。

それを「自分のことばっかりやな」と、先輩芸人さんにつぶやかれますが、

それは、矢部さんが自分本位というより、

家族同様、遠慮がなくなったからこその、「愚痴り」になったと思うのです。

 

そして大家さんは、自分とのエピソードをまとめたこの漫画によって、

矢部さんにもたらされた成功を見届けて旅立っていかれました。

東京オリンピックについて、

『それまで生きていないから興味ないわ』

と、仰ってたエピソードが予言になってしまいましたね。

 

謹んでご冥福お祈りいたします。

 

そして意図的ではないにしろ、戦争について語りつぐものとして矢部さんに託したようです。

初めて『知覧』を知る読者も多かったと思います。

この漫画を通して戦争の現実に少しでも興味を持ち、知ろうとする人が増えて欲しい。

私自身も、恥かしながら避けて、避けて、きたけれど、

数年前、靖国神社の境内にある『遊就館』を初めて訪れる機会があり、

若くして英霊をなってしまった人々の残された手紙や遺品、写真を見て衝撃を受けました。

思った以上に小さい零戦も展示してあり、

あれで特攻していくって、命令を出すこと自体狂気以外何者でもない。。。

終戦の月でもあるので、別の記事にして、それについても触れたいと思います。

 

 

 

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