明日は終戦記念日

今日は真面目で少し長い話を書きます。

明日8月15日は終戦記念日です。

広島や長崎の原爆投下日もそうですが、ここ10年くらい全国区では

急激に戦争についてテレビでも取り上げる番組が減ってきているようです。

以前は当たり前のように特別番組が作られ、ドラマなども放送されていて、

戦争について考える機会があったと思いますが、今は15日が終戦記念日だと忘れている人が多いそう。

テレビのラテ欄を見ても、明日の戦争についての特別番組は全国戦没者追悼式のみ。

他は触れてもニュース番組でこの追悼式の模様を伝えるくらいでしょう。

特に若い層ではお盆休みの1日くらいにしか考えていないようです。

 

今の国際情勢を見ると、いつ日本が戦争に巻き込まれてしまうかもわからないというのに、

すごく危機感を抱いているのは私だけでしょうか?

とはいうものの、戦争を知らない世代でもあり、あまり普段からそんなに深く考えているわけではないのですが、、

 

偶然、高知県で、『まんがが伝える戦争と平和展』が開催されているのを知りました。

(8月15日まで 高知市の市立自由民権記念館)

興味を惹かれたので、本を借りてみました。

 

まんが少年、空を飛ぶ

高知の企画展に今回取り上げられている本です。

 

この本は、山崎祐則さんという方が、特攻隊員として亡くなるまでの間、

家族に宛てて書いた絵手紙や手帳に書き留めた漫画で構成されているものです。

もともと漫画を描くことが好きで、

そして空を飛ぶことが夢の少年が、当時その夢を叶える手段としては航空兵になることしかなく、

夢を叶えるために軍に入り、訓練の模様などを生き生きとした伸びやかなペンタッチで描かれています。

最初の頃はミッキーマウスを模写していたり、ディズニーの絵を参考にしたような画風もあり、

手紙の内容も相まって、少年らしい微笑ましさを感じさせます。

おそらく厳しい訓練が続いていたと思いますが、ユーモアを交えた文章で、

おそらく検閲も入っていたことも影響すると思われますが、たくましく訓練を乗り越えている、

家族に心配させないようにな、内容になっています。

 

予科練などで軍に入る前段階は、家族に対して必要なものをおねだりするところも見受けられますが、

それが軍に入ってからはお幼い兄弟のために甘いお菓子を送ったり、軍隊が少し優遇されていることに触れたりと、

取り巻く環境が変化していくのも読み取れます。

戦況がどんどん悪化していくと、ユーモラスな絵はほとんどなくなり、

ただただ家族の安全を心配する内容に変わっていきます。

そして最後、特攻隊として戦地に赴く前のわずか三時間許された特別外出で、

彼は故郷の空に飛んで故郷を目に焼き付けるんです。

その時にはもう覚悟ができていたのかもしれないですね。

故郷に空から里帰りしたことを伝えるその手紙には、

一言も特攻に出るということは書いてありません。

 

そしてその次には、わずか5行のハガキ。

最後には

”ではまたさようなら。”

と結ばれています。

時間がなくなったのか、気持ちが乱れてしまったのか、

文字が乱れた脇に半分の余白を残して。

 

このハガキの9日後に、彼は飛び立っていってしまったようです。

享年、19歳。

遺書は戦友に託した郵便貯金通帳の裏に走り書きでか書かれた4行。

それはもう、ではまた、という文字はなく、

ただ”サヨウナラ”と結ばれていました。

 

 

本は、最後に「機上適性」という作文で終わリます。

それは彼の夢が叶い、初めて空を飛んだ日のことを書いたもの。

細かく丁寧に書かれた文章の中には、空を飛んだ喜びと希望に満ち溢れていました。

それから2年後、ただただ敵の軍艦に体当たりをして戦死するために、空に飛び立つこととなるのです。

 

17歳当時の作文も文章の見事で、これが当時17歳の少年のものとは思えないものです。

他の手紙の文章やイラストの成熟さも、素晴らしく

生きていれば文筆家、もしくは漫画家としても名を上げられる人物となっていたかもしれません

こういう前途のある青年たちが次々と命を落としてしまった戦争、

今でも地球上での戦火は消えておらずなくなっている人が絶えません。

どこかでこれは断ち切らなければならないし、

巻き込まれてはいけない。

そんな思いを強くした本です。

本当に一度ぜひ、

もし自分が戦争に駆り出されるのが当たり前の世の中だったらと、

当事者になった気持ちで想像しながら読んで欲しいです。

一人でも当事者の気持ちになる人が増えていけば、

戦争をしようという発想が消える世の中に向かっていけるように思います。

 

 

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遊就館について

この山崎氏と同じように戦争亡くなった方の遺品や手紙、遺影を

靖国神社の境内にある『遊就館』でも見ることができます。

地方でも平和記念館など、展示されているところも多いかと思いますが、

私はまたここしか訪れてないので、書くことができません。

悲惨な写真などよりも、残された家族や、

戦地で亡くなった方の思いを伝えるといった役割を持っている展示館です。

最近はよく「死んでしまえ」とか、「死んじゃいたい」、「戦争した方がいい」など、

国内外問わず軽く口にする人が多いですが、

ここを訪れて、「死ぬこと」とはどういうことなのか今一度考えてほしいと思います。

遊就館(靖国神社境内)

開館時間
午前9時~午後4時30分
※元日 午前0時~午後4時30分
※みたままつり期間中(7月13日~16日)、午前9時~午後9時
※入館は閉館の30分前まで

拝観料 大人 1,000円
大学生 500円(短期大学生・専門学校生などを含む)
中学・高校生 300円
小学生 無 料
・靖國神社崇敬奉賛会、遊就館友の会会員は無料です。
・正式参拝(本殿内でのご参拝)をされた方は人数にかかわらず特別割引。
大人1,000円 → 500円
大学生500円 → 300円
中高生300円 → 200円
・20名以上の団体は2割引きです。
・障害者手帳保持者本人及び介護人2名までは無料です。
・修学旅行での拝観は、生徒及び引率者は無料です。

 

 

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